結論を言えば、
一般枠で自分に務まる仕事が無さそうだったからである。
正直、最初手帳を取得することには
大きな心理的な抵抗があった。
人から色眼鏡で見られるのが非常に怖かったし、
見下されたり差別されるのが怖かった。
自分は、自分が対人関係が非常に苦手だったり、
物凄く疲れやすかったり、
聴覚過敏だったり、鬱だったりするのは、
単にそういうタイプの人間であるというだけで、
障害なんかではないと思っていた。
今でも、もし、自分のようなタイプが
人口の多数派だったら、
果たして自分のような人間は障害者として扱われるのか、
という疑問がある。
単に、少数派であるだけではないかと思う。
ただ、そうは言っても、
現実に、働ける仕事が見つからなかった。
そして、働かなければならなかった。
もし、仕事で関わる全員が自分に対して優しくて、
誰も自分を攻撃せず、
クレーム対応を一切やらなくていい、
体力的に楽な職場があれば
務まるだろうが、
到底あるとは思えないし、
もしも存在したとしても、
そこに辿り着くのが至難の業だろう。
それに、本音を言えば、
経歴に大きなブランクを空けてしまい、
経歴面でも一般の仕事にはもう就けそうにないという
事情もあった。
そこで僕は、生きていくために仕方ないと自分に言い聞かせて、
障害者枠で働くために、手帳を取得することに決めたのだった。
