犬デウスのブログ

1980年代前半生まれの、発達障害者男性のブログです。

守秘義務の壁(2024/3/21)

僕は無職の時代から、何とか生きていく手段として、
障害者雇用のITエンジニア職を有力候補として検討していた。

そして、そのために色々と本を読んで、

競技プログラミングにも打ち込んだりして、
自分なりに「準備」を重ねていた。

そして、遂に障害者手帳を取り、障害者雇用の仕事を初めて探すという時に、
住んでいた自治体の就労支援担当者から、

ITエンジニアの仕事を紹介されたことがある。

この時、馬鹿な自分は、

「某自治体の公務員試験を受けます」と言って断ってしまった。
とある自治体が、ちょうど、精神障害者にも

受験の門戸を開いたばかりだったのである。
(今思えばタイミングが悪すぎた)

受かる可能性は低くないんじゃないかと思っていたし、何より、公務員になれば、
障害者雇用の中では、最高レベルの給料が貰えることが魅力的だった。
(事務に適性がないことは分かっていたが、

合理的配慮としてクレーム対応を免除してもらったら、
何とか働けると思っていた)

それに、紹介された会社がネット上であまり評判が良くなかったこともあり、
入ってすぐ退職して、履歴書を汚すことは避けたいと考えたこともある。

しかし、その1ヶ月後ぐらいに考えが変わり、「やっぱ紹介してもらえませんか」
と頼んだら、

「今はもう、間に合ってるみたい」と言われ、その話は立ち消えになった。

そして結局、公務員試験試験には落ち、条件に合うIT求人も見つけられず、
自分としては意に添わない、一般事務の仕事を数年もやることになった。

今思い返しても何と自分は馬鹿だったんだろうと思うが、

こういう瞬間的なチャンスが訪れては、
掴み逃す、という場面が自分の人生には他にも何回かあって、

本当にもったいないことをしたと思う。
まあ、思考の軸がブレブレな、自分が一番悪いのだが。

一般事務の仕事をしている間は、次はITの仕事を得たいと思って、

主に帰宅後や土日に、色々と勉強を重ねた。
途中からほとんど競技プログラミングになってしまったが、
自分なりに努力をしているつもりになっていた。

そして、運よく今の会社でITの仕事に従事できるようになると、
入ってくる情報が一気に増えて、現場のコードを読んだりして、

かなりのギャップを感じ、
自分が今まで本で勉強してきたことは、本当に基礎中の基礎ばかりだったんだな、
としみじみと思うようになった。
(新卒のSI企業でもパッケージ開発をやったりしたが、大分軽いものだった)

そして、改めて、数年前の判断ミスを深く悔いることになった。
(もちろん、内定する保証があった訳ではない)

ネット上では、ITの仕事をやりたいなら、

さっさと働けという意見が結構多いが、事実、その通りだった。
守秘義務が大きな壁となって、現場で書かれているコードは

全くといっていいほど世の中に出回らないし、
メジャーなものは情報があるものの、

現場で使われる細々としたツールや技術の情報も出回らない。
(OSSコミッターになれれば話は別だろうが、かなり敷居が高いと思う)

転職の際に豊富な経歴を条件にしている求人も多いが、

やはり経験をしっかり積んだ人は現場で大活躍しているし、
かなり各種の知識が物をいう場面も多い。
それに、前評判の通り、ITの現場はスポーツの世界のような実力主義で、
ああ、自分はまた大きな選択のミスをしたんだと、痛烈に思い知ることになった。